一子相伝、山田屋まんじゅう

穏やかなる誕生日を迎えた1月4日。
午前9時半に玄関のチャイムが鳴り、ゆうパックを受け取ると、それは患者からのプレゼントだった。
山田屋まんじゅう、一子相伝の味。

この小さく簡素な包み紙の中に、慶応三年から続く伝統が詰まっていた。
良く吟味されたであろう小豆の上品な香り、そしてなめらかな口溶け。
しかし特筆すべきはまんじゅうを割るときの音だろう。しゅわしゅわと、まるで炭酸水の細かな泡が弾けるような音が、餡のきめ細かさを物語っている。
あとは上質な緑茶があればよい。普段から良いお茶をそろえていて良かったと思う。
ふと、散歩中に見上げた冬空の青さを思い出した。枯れすすきが立ち並ぶ河原の土手、舗装されていない畦道。たとえ汚染や開発が進み、伝統が消えゆこうとも、まだまだ日本の四季は美しい。
今日は良い日だ。ありがとう。