tomonyaが提唱する二本柱にツッコミ

 id:tomonya:20070617#p2が嫌われるかどうかの前に。
 まず原発の隣に二酸化炭素の吸収分解工場を建設する件について。言いたいことはわかる。tomonya風に言えば戦略レベルでの着想としては合ってる。でも細かいところに問題あり。たしかに二酸化炭素の分解技術はあるし、出たばかりの二酸化炭素をかき集めるのは難しくないけれど、大気中に拡散した二酸化炭素を回収するのは大変難しい。よって、二酸化炭素吸収分解工場を設置するのは、原発の隣ではなく、火力発電所の隣のほうが効率的。分解工場を稼働させるエネルギーを火力発電所から得ていたのでは本末転倒なので、原発から太くて長い電力線を引っ張りまかなう。問題点は、おそらく距離が長すぎるが故に高くつくであろう電力線の敷設コスト、これまた長距離ゆえの電力の減衰の問題、そして電力線近隣の住民への健康被害もしくは健康被害を懸念した住民による反対運動。逆にtomonya案の通り原発の隣に分解工場を造った場合、火力発電所から分解工場に二酸化炭素を送り届けるコストが問題になりそう。なお原発の是非についてはここでは触れない。脱線しそうなので。あと、二酸化炭素吸収分解技術のコストについては、時間が解決するかもしれないけれど、今はまだ高いんじゃないかな。まとめとしては、気がつかないんじゃなくて、技術的、コスト的に難しい。結局、効きが弱そうに見えても地道にやるしかなさそうだと僕は思う。植林とか、節約とか。あと、要素は多岐に渡るので、最も効きの良さそうなところを見定めにくい上に、効きの弱そうに見えても意外と効き目があるかもしれないし、どうやら無駄ではなさそうだし。
 次。海外への移民はおおむね賛成。移民したくなるような施策をすればよい。物価の安い国へ移民させ、国が仕事を与え生活を保障する。移民先が不毛な土地ならば植林や農業をやってもらうのが良かろう。とはいえ多くの日本人は日本が世界で一番安全で快適で、この快適は永久不滅だと信じて疑わないので、それを打ち崩すための何かが必要となるようには思う。
 で、言ったら嫌われることについて。昔はもっと嫌われてもいいくらいの勢いじゃなかったっけ?ずいぶん突っ込んでいったような気がするけど。それはともかく、きちんと細かいところまで調べて裏を取り、分かりやすいプレゼンをしないことには、啓蒙にならないばかりか、「言っていることがむちゃくちゃな上に底が浅い」と思われてしまう。これは損でしょ。地道な調査はかけるべきコストだ。
 まあ、以上。