泥水

 今日はかなり落ち着いた状態で昔語りをする患者さん。しかし幻覚は出る。
 語らせるのは大切な作業であり、下手な切り上げ方は我慢から悪化へと向かうので良くないが、長引くのも歯止めが利かなくなって錯乱する元だ。
「あんまり思い出すと、また変なもの(幻覚)を見るよ。このくらいで切り上げないと危ないんじゃない?」
「はい・・・もう泥水を飲むのはいやです・・・」
「もうそんなことは起きない世界にいるから(だから安心しなさい)」
「今度そんな目にあったら、そいつ殺していいですか?」
「・・・(どうしよっかなぁ・・・)いいよ」
 まだまだ続く。