セーラー四十路ムーン

とある集会所にて、四十代の主婦が目の前でセーラームーンの扮装を始めて、ステッキを振り回しながら歌って踊って、かの有名な「月に代わっておしおきよ!」の決めポーズを連発していた。
まあ、そこまでは「久しぶりに至近距離でキジルシを見たなー」と思った程度だけれど、人を傷つけかねない言葉を連発するのには困った。彼女の過去を知る者によれば、これでも昔よりおとなしくなった方らしいが、近くにいた寡黙な男の子に向かって「ねえ、どうしてしゃべらないの!?どうしてしゃべらないの!?」と絡みまくるのは止めにゃならんと思い、みんなで止めようとしたけれど、なかなか止まらなかった。次から来なくなっちゃったらどうするんだよ……と言っても理解できないんだろうなあ。
話の流れで「そんなにセーラームーンが好きなら、いっそのこと、その格好で外に出ないんですか?」と問われたら「あたしはそれでも構わないんだけど、子供がいるから。子供が後ろ指を指されるようなことはしたくない」と答えていたのは美談かと思ったが、間違いだった。あとで聞かされた話では、この母親のせいで子供がリストカットオーバードーズを繰り返しているという。子供を守れてねーじゃん。
あと、カウンセリングについて「カウンセラーに思い切りぶつけてストレス解消するの。あの人達はそのためにお金をもらっているんだから。そのためにも稼がなくちゃね」という発言には引いた。カウンセラーのカウンセラーが存在する理由はこの辺りなんだろうと思った。