別人格との対話

つい今し方、彼女が別人格を表に出したので、ずっと話を聞いていた。
2歳から6歳までがひとまとめになったものらしい。
それは身勝手な大人達に振り回される不幸な子供だった。
彼女の人生観はこの時点で既に悲壮極まりない物になっており、自分を殺して周りを生かすのが考え方の基本になっていた。
全ての話を真剣に聞き、質問には丁寧に答えた。
「おじちゃん、また会いに来ていい?」と言われたので、「またおいで」と答えた。
別人格が帰ると同時に主人格が冷静に頭痛を訴えた。酒を一気飲みしたときのように頭がぐらぐらするという。
お友達のブログで読んだ「子供の人格を座敷牢に閉じこめている」という記述が自分にも当てはまっており、自分の病気の早期解決のために危険を承知で表に出したのだという。


もう一つ興味深い事実がある。別人格がしゃべっている間、ウサギのなごみちゃんが警戒態勢に入り、足をダンダンと鳴らし続けていた。隣の部屋だったし、こちらの口調は穏やかだったのだが、それでも異常事態であることを察知したのだろう。別人格が帰ると同時に足ダンはおさまった。


あまりにも興味深い出来事だったので、急いで日記に書き残した。