白、来る

tomonyaから「ドイツに行っていた問題児が一時帰国している」という連絡を受けたので、急いで会いに行った。会って早々に「やあ、老けたね」と言われ、「おまえもな」と言おうとしたところ、先にtomonyaに言われた。
彼は界隈でもトップクラスの問題児だったが、出国前とは見違えるように落ち着いた様子で、話す内容も知的かつ面白いものになっていた。かつて彼の破壊活動につきあわされた者たちが見たらどう思うだろうか。彼の手によってあらゆるものが有り得ない壊れ方をしたものである。車を壊された上に病院送りになった人もいる。
彼の話はどれも面白かった。欧州の動向、日本とドイツの違い、関空を降りて目にした下品な看板の数々、そして、彼の破壊活動の元凶であり社会生活を困難たらしめているADHDについて。就職など夢のまた夢、家庭生活も人間関係すらも築くことが困難なこの病気の実情を語り、「なんかもう生きること自体がめんどくさい」と言う。かといって死ぬわけでもない。彼は鬱病ではないらしい。
お金が無いなりに知恵を働かせて手に入れたドイツでの生活ではあるが、永住権を手に入れたわけではない。期限までに何とかしなければならないのが大きな課題だそうだ。