親を殺したくなったのは健康に近づいた証

9月以降、うちの患者さんは、ちょっとやそっとのことでは解離しなくなった。おかげでずいぶん助かる。
これは8月下旬に大きな変化があった結果だろう。今まで自分のせいだと思っていたことが実は親が原因であったことに初めて気付いたのである。これは僕が待ち望んでいたことだし、良いことに間違いないが、最初は大変だった。
「親を殺したい、100回殺しても足りない」
とか、
「そう思う自分が嫌だ。親を殺さないためには私が死ぬしかない」
とか、それはそれは物騒なことを言いながら苦しんでいた。ベランダから飛び降りたい気持ちを必死に抑えていた。髪を乾かしている最中にフラッシュバックしてドライヤーを4階から投げたりもした。見張っていないと本当に死んでしまいそうだった。
しかし、これは健康になるためには避けては通れない道であると確信していたので、耐え抜く覚悟を固めることはできた。落ち着くまでは意外と短かった。9月16日に病院で先生に事態を告白したのが効いたのかもしれない。
今でも危ないことには間違いないが、7月以前よりは明らかに健康に近づいている。今日はうどんを食べながらあっちの世界に行っていたが、すぐに戻ってきた。
この間はいつにもまして勉強した。ネット上に数限りなくある情報商材を見渡し、無料でもらえる物は片っ端からもらったし、良いと思った物にはお金も払った。彼女のためではあるが、自分自身にとってもかなりのプラスだったと思う。