自覚が出てきた

入院してからこっち、進歩がめざましい。ここ数日、やっと「自分は重病である」という自覚が出てきたのを見て、本人のつらさとは裏腹に、僕は喜んでいる。
そして今日、「初めて真正面から見た」と言った。それはあまりに重すぎて押しつぶされそうで、どうしようもないくらい暗澹たる気持ちだという。今までに聞いたことがない「なんでこんな苦しい思いをしなくちゃならないの?」という言葉が出てきた。これまでのような発狂した叫びではない、血の通った人間らしい嘆きに、重苦しさと同時に潤いを感じた。
本人にとってはつらいだろうが、僕にとっては喜ばしいことである。もちろん僕もつらいが、光が見え始めた現状は素直に喜ばしい。これまでの苦労が報われた思いだ。
次は「私はどこで間違えたのだろう」という言葉についてだが、選択肢がなかったのだから自分のせいではないということに気づいて欲しい。