植林のお手伝い

 ついさっき終わったばかり。高校生達に混ざって急斜面を上り、資材を受け渡す。
 一休みして汗が引くと、木々の間を心地よい風が吹き抜けているのが分かる。海面からわずか30メートルほどの高さしかないが、木々に守られた山頂は下界に降りたくなくなるくらい快適で、ついつい長居してしまった。
 最近の高校生は男の子でも虫を怖がる人が多く、一服している周りを飛び回る地蜂や虻をずいぶんいやがっていた。一人だけ、蜂は嫌いだけど蜘蛛は好きという男の子が居て、「蜂うぜぇ、蜘蛛かわいい」と言っていたのだが、その蜂は蜘蛛を食べるんだよ、という豆知識は内緒にしておいた。