あごの痛み

 整体に行った次の日あたりから、やけにあごが痛かったのだが、その痛みも治まりつつある。
 体調不良ではなく、その逆だ。長年のあごのずれが直ったのだろう。その証拠に、今までは口を大きく開けるとあごが簡単に外れてしまっていたのだが、もうそんなことはない。この痛みは筋肉痛なので、衰えていた筋肉が発達し終われば自然と消えるはずだ。
 思い返せば、まだ小学生の頃、あごのずれに悩まされたことがあった。口がまっすぐに閉じないのである。閉じようとすると必ず左右どちらかにずれるのだ。不安に押しつぶされそうになり、大声で泣き、母を当惑させた。よく覚えていないが、医者に連れて行かれて数時間で直ったような気がする。
 その数年後、あごが外れやすくなった。たいていはすぐに戻るのだが、時折、戻らなくなってしまう事があった。このときの恐怖感は筆舌に尽くしがたい。不調を訴えようにも、言葉にならないのである。世間体を気にする子供だったので、変人扱いされることを恐れ、気づかれないように人目の少ないところに逃げたりしていた。
 今後はこのような不安にさいなまれることもなくなるのだろうか。昔は東洋医学なんて知りもしなかったが、つくづく大したものだと思う。