CMS選択の決め手

 近年、ブログやポータルサイトなどのCMSが急速に普及した。大小さまざまなCMSが開発され、成功したものは広く普及したり、そうでないにしても地味に開発が続けられていると思うが、消えていったものも多いに違いない。
 CMSを採用する基準は、目的との合致、使い勝手のよさ、安定性、ドキュメントの充実、ユーザーコミュニティが円滑に運営されているかどうか、などであると思うが、もうひとつ、些細だが地味に影響している要素があると思う。
 マイナーなブラウザに対応しているかどうか。
 特に個人でレンタルサーバーを借りてCMSを設置するような人には、いわゆる「変な人」が多い。良い言い方をすれば「こだわりを持った人」ではあるが、大多数から見れば、ぶっちゃけ「変な人」である。
 この手の人は標準装備されたソフトを使いたがらない傾向にあり、ブラウザもメーラーテキストエディタも、果てはOSに至るまで、自分が選んだものを導入したがる。そして、そういったものは、えてしてシェアは低めだ。
 しかし、CMSの開発者は、このような「変な人」の存在を無視できないのではないだろうか。ブラウザのシェアは相変わらずインターネットエクスプローラが大半を占めているが、CMSをインストールしたがるような人に限れば、このバランスは大きく違ってくるのではないだろうか。そして、CMSはインストールされなければ使われることはないのだ。
 これは予想でしかないが、マイナーなブラウザを無視したことにより、こだわりを持った物好きな人々の支持を得られず、結果としてそのCMSが普及しなかったのだとすれば、もったいないことだと思う。
 いわゆる「変な人」に分類される一人として、CMS開発者の皆さんには複数のブラウザでテストしていただくことを切に願う。