「労働」を辞書で引いてみる

 上の項目(id:blackant:20060409:1144557176)のid:tomonyaのコメントで言われている「労働」の正確な意味を読者が共有していないと、ちょっと困ったことになるような気がした。

  1. からだを使って働くこと。特に賃金や報酬を得るために働くこと。また、一般に働くこと。 「八時間―する」「肉体―」
  2. 〔経〕 人間が道具を利用して自然の素材を目的に応じて加工し、生活に必要な財貨を生みだす活動。

 このうちの「賃金や報酬を得るために働くこと」(その中でも特に過酷なもの)に特化しており、働くこと全般を指しているのではない(と僕は認識しているのだが、どうだろう>tomonya)。
 付け加えるならば、id:tomonyaが標榜するレベルにまで国が豊かになろうとも、生きる糧(食料とか)を得るための最低限の手続き(労働にあらず)は必須であり、その手続きの一部に広義の労働が付随する場合がある(付随しない場合もある)。そしてその「労働」とは、他者の元で「賃金や報酬を得るために働くこと」とは限らない、ということ。
 そこで僕が問いかけた『ところで家庭菜園は労働のうちに入る?』という1行が登場するわけであります。家庭菜園はあくまで一例ね。
 さらに付け加えるならば、ああいった会話の根底には「知的(あるいは文化的)な活動が阻害されるほどの過重な労働は、人民の幸福を阻害し、それはめぐりめぐって国力の低下にもつながる」という共通認識があることを明記しておきたい。
 あ、もうひとつ。「肉体的・精神的に健康であるにもかかわらず、正真正銘、労働力として使えない人間がいる」という事実(あー、念のため言っておくけど、僕じゃないよ)。あと、「働く意欲があるのに働かせてもらえない人がいる」という事実。ほかにもいろいろあるな。思い出したらいろいろ出てきて書ききれない。
 つまり,コミュニケーションを支えるメタコミュニケーションがなければ,意志疎通は潤滑には運ばない。これ、僕の大好きな文章。