劇場版Zガンダムを見た

かつてテレビでZガンダムが放映されていた頃、僕は小学生だった。当時の僕にとって、Zの物語はあまりに気持ち悪く、途中で見るのをやめた覚えがある。ファーストの悲哀も相当なものだったが、それとは別格の、もっとどす黒い何かが、僕はたまらなくいやだった。
そんな「嫌な作品」をわざわざ見に行こうと決心した理由はいくつかある。単純にガンダムの続編だからという理由もあるが、今なら昔と違った見方ができるかもしれないという「自分の変化」に期待をかけていたところに、「監督の心境の変化」と「作品の変化」のニュースが入ったからである。
大人になってから分かったのだが、どうも富野監督はZが嫌いだったらしい。数年前にZのDVDが発売されたときなんか、「皆さんも、いつまでもこんなものにこだわっていないで、もっと良いものを見つけてください」みたいなことを言っていた。そんな気持ちが作品にオーバーラップしたからあんな作品になったのだと言われたら、僕はきっと信用するだろう。
しかし今回、そんな富野監督が「やっとZのことを受け入れられそう」みたいなことを言っているのである。僕はそこに劇場へと足を運ぶ理由を見出した。本気になった彼が我々に見せたいものを見逃す気にはなれなかったのだ。
さて肝心の内容であるが、一言で言えば万人向けではない。面白いかどうかの前に、何のことやらさっぱり分からない人がたくさんいるような気がする(そして「面白くない」という答えを出してしまう人も多いに違いない)。ストーリーをちゃんと把握するためには予習と復習を膨大にこなす必要があり、ガノタでない一般人にはきついかもしれない。しかもこれはまだ序章でしかない。毎度ながらとんでもないことをするおっさんである。
僕はこの映画が面白いかどうかの判断を下すのは、3部作を全て見終わってからにしたい。今はまだ分からないことが多すぎる(ストーリーは全て把握しているけど)。とはいえ、万人にお薦めできない映画ながらも、たくさんの人に見てほしいという思いは強い。もっとおすすめなのは初代のほうだけどね。それとガンダムエースの記事。
あと、知らない人のために書いておくけど、この映画は旧作の絵を多用している。知らずに見に行くと「なんじゃこりゃ」と思うかもしれないのでご注意を。まあ、あと数日で公開が終わりそうですが。