ハットリくん

今日見た映画は『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』。
総評。しょーもない映画でした。ツッコミどころ満載でした。でもそれは「ハットリくんを実写でヤル」という時点で分かりきった事。ノープロブレムです。一緒に見た友人がいい事を言いました。「どんな作品からも何かしら学べることがある」。そんなわけで、作品にこめられたメッセージはどんなものだったのか、そのあたりを中心にお話します。
ストーリーは「この現代に忍者ってどうなのよ?」という問いかけに終始します。山里に隠れ住むハットリ親子は、忍びの掟をかたくなに守りつづけ、日々修行に励んでいます。しかし、このように伝統を守り通している伊賀忍者は、もうほとんど残っていません。
その一方、ライバルの甲賀忍者たちは、時代の流れに対応すべく、忍者であることを捨て、現代社会に溶け込んでゆきます。民族としての甲賀忍者は終焉を迎えるのですが、知恵と技術は現代風にアレンジされ、生活に役立てられています。
ハットリくんのライバルであるケムマキも、忍者をやめて学校の先生になっていました。しかし、山奥でのアナクロな修行が人生の全てだったハットリくんには、その意味がわかりません。掟に盲従するハットリくんは、ついに小学生のケンイチにさえ「掟ってそんなに大切なものなの?」と呆れられます。
形骸化した伝統文化に価値はあるのか。修行の意味は。掟の意味は。それは人それぞれなのでしょうが、最終的にハットリくんは、掟よりも大切なものを見つけながらも、掟を守り忍者として生きることを選びます。命令だからではなく、自らの意思として。
そんなわけで、「この現代に忍者ってどうなのよ?」という問いかけには「無理だろう」とあっさり言われたようなもんですが、きっと、こうして廃れてゆく伝統文化はたくさんあるのでしょうね。
それと同時に、自分の道を自分で選ぶことの大切さも訴えられていたと思います。幸いにしてハットリくんは忍者であることが大好きみたいだし、卓越した能力と持ち前の能天気さで、山だろうと都会だろうと忍者のまま生きてゆけるでしょう。そんな彼は幸せな男だと思います。
んで、主題歌のCDはほしい。買うかも。