訃報

夜8時、友人の祖父の訃報を聞かされ、反射的に笑ってしまった。彼も笑っていた。
不謹慎なのは百も承知。彼の性格と人生を大きく捻じ曲げた元凶が、ついに倒れたのだ。
堪えがたきを堪え、忍びがたきを忍び、ようやく射しこんだ希望の光である。口元がゆがむのを我慢するのは無理だろう。電話の声は輝いていた。