教授ら全教員対象に5年間の任期制導入へ 長野大

 長野県上田市長野大学(井出嘉憲学長)は新年度から、教授、助教授、専任講師の計54人全教員を対象に、5年間の任期制を導入する。少子化で競争が激化する私大の生き残り策の一つ。文部科学省によると、任期制を全教員に適用した例は聞かないという。

 長野大学によると、任期は5年で、助教授、講師は同一職位で1度再任用できる。教授の再任用も原則1度だが、特に業績優秀なら、5年ごとに評価したうえで65歳の定年まで在籍を認める。再任用されなかった教員は、任期終了時点で退職しなければならない。

 任期制は、今年4月に採用する新任教員6人から導入する。現在在籍する教授29人、助教授14人、専任講師5人の計48人については、3年間の猶予期間の後、07年度から新たに雇用契約書を交わし、適用するという。

 任期制の導入は、教員の質をより高めることで大学間競争を乗り切るのが狙い。「身分が保障されないと、落ち着いて研究活動ができない」など教員側には反対意見もあるが、井出学長は「大学には生き残るための改革が必要で、教員の自己改革から始めるべきだ」と話している。

 文部科学省高等教育局企画課によると、国公立、私立とも任期制を導入した大学はあるが、特定の学部などに限っての導入がほとんどという。 (03/14)